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0:異世界転生したけど戦いが嫌いなので平和勇者になりました
中学生のタケルは名前に反していじめられっ子。
特に幼馴染の美少女レイカはスクールカースト上位で、アニメオタクのタケルはたいそう居心地が悪い。
今日もいじめっ子に小突き回されて帰宅中、突っ込んできたトラックにはねられ、タケルは異世界転生してしまう!
女神にチートをもらえると聞いてタケルの頭をよぎったのは、幼い日の優しかったレイカの顔だった。
「みんな仲良くなれる世界にしたいです」
「それは良い心がけです。その心が失われないよう祈っていますよ……(意味深)」
そんなタケルが転生した世界は……。
見渡す限りの砂漠。風化したビル群が地平線に霞む。
現れたのはモヒカン頭にトゲトゲの肩パッドをつけた革ジャンを着た男ども!
「ヒャッハー! 汚物は焼き払えー!」
火炎放射器つきのギターを振り回し、いびつな自動車やバイクで迫るモヒカンたち!
そこはなんと、すべてを暴力で解決する世紀末的世界だった!
転生するなりいきなりモーニングスターで殴りかかってくるレイカそっくりの美少女!
タケルの能力「わからせ」が発現し、美少女とはとても平和的に和解することに成功したが……。
「あのさ、僕は平和に仲良くやりたいんだよ!」
「平和? ……平和ってなに? 殺さなければいいの?」
「う、うーん……まぁ……」
「半殺しくらいならセーフじゃない?」
世紀末バイオレンス世界に降り立った、平和勇者タケルの明日はどっちだ!
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