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8:円卓のシェフ ~アーサー王の料理人~
アユは平凡な女子高生。
平凡と言っても生活力はむしろちょっと下……。
料理研究家のお母さんにいろいろ教え込まれるものの、本人はやる気ゼロ。
生活科の料理の課題で落第点をもらったアユは、お母さんにたくさんの調味料やスパイスを押し付けられて追試に向かう途中突っ込んできたトラックに撥ねられてしまう。
「う、うーん……」
「おい、目を覚ましたぞ。さすがマーリンのまじないはよく効くな」
「王よ。しかしこのような恰好は見たことがありませぬ」
目を覚ましたアユを取り囲んでいたのは、美しい甲冑を身に着けたイケメンたちだった。
アユはなんと! 円卓の騎士の世界に転生してしまったのだ!
「え? なにこれ、コスプレ?」
「娘よ。腹が減ったであろう。これを食べるといい。遠慮するな」
差し出された食事は簡素で、全然おいしくない。アユはお母さんに持たされていた調味料でさっさと味付けする。
それを見た円卓の騎士たちが不思議そうに一口食べると……。
「こ! これはうまい! これは一体!!」
「え? ただのマヨネーズだけど……」
アーサー王の料理人に取り立てられたアユの、異世界グルメ悪戦苦闘物語!
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